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「出会った子に対して何ができるか」を考え
「必要なものはつくろう」

理事長の島津が東京の在宅医療の現場で研修し「看護師が家に来るのは、家族にとってすごくいいことなんだ」と考えたのが、熊本初の小児専門訪問看護ステーション「ステップ♪キッズ」設立のきっかけでした。設立した2009 年当時は「親が子の看護をするのは当たり前」という考えがまだ根強く、小児専門の訪問看護は全国でも東京に2カ所、福岡に1カ所ほどしかありませんでした。地方都市での活動は難しいのではないかとも言われていました。

開設当初は事務所は間借り、赤字経営で資金繰りにも苦労しました。しかし退院する子とその家族の利用希望が増えるにつれ、運営が軌道に乗りました。その後、障害児専門のヘルパーステーション、障害児の通所支援と事業を拡大していきましたが、それは組織を大きくしようということではなく「出会った子に対して何ができるか」を考え「必要なものはつくろう」という取り組みの結果です。看護師一人でやれることは限られるのでヘルパーを増やしたり、利用する子どもたちが成長して「友達と関われる場もほしいね」と、通える場所をつくったり。次々と利用者のニーズにこたえる事業を実現していきました。

「まずやってみよう」と
軽やかに動く“NEXTEPマインド”

“NEXTEPマインド”は、小児医療分野の事業にとどまりません。農園やチョコレート工房を設立し、障がいのある方や就労に関するサポートが必要な方の支援にも取り組むなど、常に新企画が生まれ、動いています。最新のプロジェクトは、来年初夏にオープン予定のジェラート屋さん。夏場、チョコレート販売はどうしても売り上げが減るため「夏場の仕事をつくりたい」というのがきっかけでした。クリニック近くの土地を買い受け、そこにジェラート屋さんをつくるプロジェクトが進行中。なぜか医師で理事長の島津がジェラートの試作に取り組んでいる感じも、NEXTEPでは「あるある」の光景です。

利用者のニーズに寄り添う一方、スタッフの働きやすい環境を整えているのもNEXTEPの特長です。医療型ショートステイを受け入れているクリニックの設計がその一例で、1フロアに7床のベッドを設置し、見通しのよい病室で常に5〜6名の看護師が子どもたちのケアをしています。バギーや荷物を置くスペースも確保されているほか、車への乗り降りもスムーズなように動線が工夫されています。また事務局との連携も密で、設備の修繕などの雑務は事務局が行うため、看護師は看護の仕事に専念することができる環境です。その先進的な取り組みを学ぼうと、数ヶ月に一度は医療関係の方が視察に訪れています。

根っこに人とのつながり
「一人でできないことはチームでやる」

医師である理事長島津が、現場での医療にも携わりながらこれだけの事業を実現できた根っこには「人とのつながり」がありました。実はNEXTEPはもともと、理事長島津が学生時代に立ち上げた任意団体。そこで世代や職種を超えて交流し、学ぶ活動をしていた経験から、医療関係のみならず多様なメンバーとの出会いやつながりを大切にし、必要なときに協力し合い、「一人でできないことはチームでやる」という現在の取り組みが形づくられてきました。

NEXTEPの現場を訪れた人々が一番驚くのは、その圧倒的な明るさです。ご家庭を訪問するスタッフは「ほぼ家族」という存在。スタッフは子どもの体調管理のみならず、遊んだり、きょうだいの誕生祝いを一緒にしたり、お母さんが外出してリフレッシュできるようお手伝いをしたりと、家族の暮らし全体に寄り添います。子どもの成長を一緒に喜び、家族みんなが毎日安心して楽しく過ごせるようなサポートをする中で、スタッフ、家族が誰一人孤立しないような関係性が築けているのです。

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